- 菌ちゃん農法は肥料と農薬を使わずにきれいな野菜を作れるって聞いたけど…
- 本当にそんなことできるの?
- どうしてそうなるのか菌ちゃん農法の仕組みを知りたい!
菌ちゃん農法はいま流行りの有機農法のことで、糸状菌を活用して野菜を育てるのが特徴です。
そんな菌ちゃん農法は従来の農業とは異なり肥料や農薬を使わずにきれいな野菜が栽培可能となっています。
そこで気になるのが「菌ちゃん農法はなぜそのようなことができるのか」です。
この記事ではそのような疑問が解決できるように「菌ちゃん農法の仕組みとやり方」について詳しく解説していきます。
この記事を読むことで菌ちゃん農法の仕組みを知ることができ、菌ちゃん農法の成功率をアップさせることができます。
菌ちゃん農法が失敗するのは仕組みを知らないから
菌ちゃん農法を実践してみた方の中に
- いつまで待っても糸状菌がでてこない
- 虫食いばかりで健康な野菜が作れない
など、失敗してしまっている方は多いです。そのような方々は共通して菌ちゃん農法がどのようにして成り立っているのかという仕組みについて知らないことが多いです。
菌ちゃん農法の仕組みを知ることで土づくりや畝づくりの際に注意すべきところを把握できるようになり失敗も少なくなります。
ぜひこの記事を読んで菌ちゃん農法の仕組みややり方を知ったうえで菌ちゃん農法に挑戦してみましょう。
菌ちゃん農法の仕組み
菌ちゃん農法の仕組みは全て糸状菌が大きく関係しています。
以下の文章では菌ちゃん農法では
- なぜ肥料を入れなくても野菜が育つのか
- なぜ虫食い被害が少ないのか
- なぜ土を耕さなくてもいいのか
の3つの観点から菌ちゃん農法の仕組みについて詳しく解説していきます。
なぜ肥料をを入れなくても野菜が育つのか
菌ちゃん農法では化成肥料はもちろん鶏糞堆肥や油カスといった有機肥料すら使用しません。
ではどのように代わりの栄養分を得ているのでしょうか。その答えは以下の通りです。
糸状菌が有機物を分解して栄養にする
糸状菌は炭素の多い有機物をすばやく分解することができ、分解された有機物は野菜が吸収しやすい栄養分へと変化します。
そのため、畝づくりの際に入れる有機物が肥料の代わりとなります。
糸状菌が野菜の根とくっついてより広範囲から養分を吸収できる
糸状菌は野菜の根の細胞に入り込み、野菜に養分や水を供給してくれます。
糸状菌は野菜の根に比べて非常に長く、畝全体から養分と水分を得ることができます。
そのため、本来なら野菜が吸収できない場所にある養分も糸状菌によって吸収できるようになり、肥料がなくても野菜栽培が可能となっています。
糸状菌に有用細菌が共生する
糸状菌は有用細菌のすみかとなります。
有用細菌の中でも特に窒素固定菌が重要で、窒素固定菌は空気中の窒素を土の中に取り込み、野菜が吸収できる形に変化してくれます。
なぜ虫食い被害が少ないのか
菌ちゃん農法で育てる野菜は慣行栽培の野菜に比べてより健康で虫に対する抵抗性が強いからです。
虫食い被害にあう主な理由として窒素過多による細胞の軟弱化が挙げられますが、菌ちゃん農法では施肥をしないので窒素過多になることがありません。
また、糸状菌による豊富な栄養供給により、虫抵抗性物質がしっかりと分泌されているということも理由として挙げられます。
なぜ土を耕さなくてもいいのか
菌ちゃん農法では一度畝を作ってしまえば数年間、耕すことなく使い続けます。
これが可能な理由は糸状菌が常に土を耕しているためです。
糸状菌は畝全体に広がり土塊を砕きながら団粒構造を形成してくれます。
これにより土は常にふかふかな状態が保たれ、健康な野菜が育つためのベッドとして大きな役割を持ちます。
菌ちゃん農法のやり方
ここまで菌ちゃん農法の仕組みについて紹介してきました。
続いては菌ちゃん農法のやり方について紹介していきます。真似するだけで簡単に菌ちゃん農法が始められるのでぜひ最後までご覧ください。
準備するもの
菌ちゃん農法を始めるために以下のものを準備しましょう。
- 畑(プランターでも可)
- 畝を作る農具(くわ・レーキなど)
- 有機物
- マルチシート
- マルチシート押さえ
- 植える野菜の種・苗
有機物について詳しく
菌ちゃん農法では様々な種類の有機物を使うことが推奨されています。
可能な限り菌ちゃん農法に向いている多様な有機物を集めましょう。
菌ちゃん農法に向いている有機物
- 丸太
- 竹
- 小枝
- 落ち葉など
有機物については「菌ちゃん農法で使う有機物を徹底解説!|丸太や竹などの役割や入手方法がわかる」でより詳しく解説しています。併せてご覧ください。
マルチシートについて詳しく
マルチシートは黒色の幅180cmのものを選択しましょう、
マルチは石油からできているからなるべく使いたくないという方も可能な限り使用することをおすすめします。
菌ちゃん農法におけるマルチの必要性や使わない場合どうなるのかについては以下の記事で詳しく解説しています。
畝づくりをしよう
畝づくりをしていきましょう。
菌ちゃん農法の畝は非常に高いことが特徴で、最終的な高さは55~60cmほどになります。
畝づくりの手順は以下の通りです。
<こちら>で実際に筆者が畝を作ってみた際の様子を写真付きで詳しく紹介しています。併せてご覧ください。
野菜を植えてみよう
畝が完成したら野菜の種や苗を植えてみましょう。
植え方は、まず畝の上のマルチを破き適度な穴を空けます。
次に有機物をかき分け、見えてきた土に野菜の種・苗を植えます。この時、土が十分に湿っていなければ水を流し込んで十分な水分がある状態にしましょう。
最後に鎮圧をして完成です。
菌ちゃん農法のコツ
ここまで、菌ちゃん農法の仕組みとやり方について解説してきました。しっかりと理解できましたでしょうか。
続いては菌ちゃん農法でより失敗を少なくするためのコツを3つ紹介します。
これらを知っておくことで菌ちゃん農法の成功率はぐんとアップします。
以下の文章では「畝づくりのコツ」と「糸状菌を増やすコツ」の2つについて詳しく解説していきます。
畝づくりのコツ
菌ちゃん農法は特有の高畝が特徴的です。
この畝は高さや幅が大きいことに加え、中に丸太を入れたり、上に有機物をのせるなど作業量が非常に多く失敗しがちです。
そこで菌ちゃん農法の畝づくりのコツについて紹介します。このコツを押さえておけば失敗することなくきれいに高畝を作ることができます。
畝づくりのコツは以下の通りです。
- 高畝を作るのには想像以上に土が必要なので十分な土量を確保しておく
- つどつど畝の高さや幅を測りながら作業する
- 土を盛る作業が大変なので大人2人以上で行う
この他の注意点や作業の様子などについては下の記事で詳しく解説しています。
<菌ちゃん農法の畝の作り方|畝たてのコツや手順を写真で詳しく実践解説>
糸状菌を増やすコツ
先述したように糸状菌は菌ちゃん農法において非常に大切な役割を持つ大切なものです。
公式書籍の中にも「糸状菌ファースト」という言葉があり、糸状菌を畝の中でなるべく多く増やすことが重要視されています。
糸状菌が増えるかどうかは菌ちゃん農法の成功もしくは失敗に大きく関わるのでしっかりと重要なポイントを押さえておきましょう。
糸状菌を増やすコツは以下の通りです。
- 糸状菌が住みやすいきちんとした高畝を作る
- 炭素分が豊富で多様な有機物を大量に入れる
- 有機物が全て分解される前に定期的に有機物を入れる
- 水分が無くならないように定期的に散水をする
- マルチシートで温度管理する
糸状菌を増やすコツについては別記事でさらに詳しく解説しています。併せてご覧ください。
<【糸状菌が大量に】菌ちゃん農法で糸状菌が育ちやすい環境を作る方法4選>
菌ちゃん農法の仕組み・やり方まとめ
この記事では菌ちゃん農法の仕組みややり方・コツについてまとめてきました。
この記事の要点をまとめると以下の通りです。
- 菌ちゃん農法の仕組みを知ることは重要
- 糸状菌の力によって菌ちゃん農法が成り立っている。<菌ちゃん農法の仕組みについて読み直す>
- 菌ちゃん農法のやり方について解説
- 菌ちゃん農法の畝づくりと糸状菌の増やし方のコツについて解説
この記事を参考にぜひ菌ちゃん農法に挑戦してみましょう!
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