この記事では菌ちゃん農法の畝づくりを実践しながらやり方やコツについて解説していきます。
この記事を読むことで誰でも簡単に本格的な菌ちゃん農法の畝が作れるようになります。
菌ちゃん農法の畝づくり実践しました!
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菌ちゃん農法の畝の特徴
菌ちゃん農法の畝の特徴について解説していきます。
菌ちゃん農法の畝は以下のように通常の畝に比べて非常に高く大きいという特徴があります。
このような特徴から、菌ちゃん農法の畝を作るには通常よりも多い土が必要となります。
この他にも、後述するように畝の中に丸太を入れるなど、有機物を大量に使用するのも菌ちゃん農法独自の特徴と言えます。
菌ちゃん農法の畝のメリット
このような大きな畝を作ることで以下のようなメリットがあります。
- 水はけが良くなる
- 野菜の根が広がりやすい
- 菌を初めとする微生物が活動しやすい
菌ちゃん農法のメリットについては以下の記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
畝づくりに必要なもの
菌ちゃん農法の畝づくりに必要なものを紹介していきます。
すでに準備が完了している方は以下のボタンから実践編まで読み飛ばすことができます。
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農具
畝を作るために必要な農具を準備しましょう。
必要な農具一覧は以下の通りです。
鍬(くわ)
鍬は備中ぐわと平ぐわの2つを用意すると便利です。
備中ぐわは初めに畑を耕す際に使用します。
平ぐわは丸太を入れえる溝を作る際や畝に土を盛っていく際に使用します。
シャベル
シャベルは畝に土を盛る際に使用します。
大量に土を盛る必要がある高畝では土を多く運べるシャベルの使用をおすすめします。
レーキ
レーキは畝の形を整える際に使用します。
具体的には畝の表面を平らにしたり、側面を叩いて崩れにくくします。
メジャー
メジャーは畝の高さや幅を計測する際に使用します。
しっかりと高畝が作れているか確認しましょう。
有機物
菌ちゃん農法は様々な有機物を畝に入れるのが特徴です。
菌ちゃん農法で使用する有機物については別記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
菌ちゃん農法で使う有機物を徹底解説!丸太や竹などの役割や入手方法がわかる
- 丸太
- 竹
- 小枝
- 落ち葉
- 籾殻(もみがら)
- 炭
- 有機石灰
菌ちゃん農法ではこれらの有機物を使用することが推奨されています。
しかし、全ての種類を使う必要はありません。入手しやすいものや入れてみたいものを選ぶことをおすすめします。
今回の実践では丸太・竹・小枝・落ち葉を使用しました。
黒マルチとマルチ押さえ
畝を作った後には水分量を保持するために黒マルチシートを畝全体に被せます。
菌ちゃん農法の畝は非常に大きいため、黒マルチシートは幅が180cm以上のものを選びましょう。
また、マルチシートを留めるためにマルチ押さえも用意しましょう。
菌ちゃん農法の畝づくり実践
実際に菌ちゃん農法の畝づくりを挑戦してみました!
菌ちゃん農法の畝づくりの手順はこのようになっています。
下の写真は今回、菌ちゃん農法の畝を作る畑です。土質は比較的さらさらとした砂質な土壌です。
前年まで有機農法で使用していました。
それではそれぞれの作業工程について詳しく解説していきます。
土を耕す
まずは土を耕します。
畝を作る前に土を深く耕しておくことで十分な量の土を確保できるようになります。
また、石灰や炭を使用する場合はこの段階で土に混ぜておきましょう。
丸太を埋める
まずは畝のサイズに合わせて丸太を埋めていきます。
外側が130cmになるように畑に溝を掘り、そこへ丸太や朽ち木を敷き詰めていきます。
この丸太が数年間にわたって糸状菌や野菜の栄養分となります。可能であれば溝がしっかりと埋まるくらいの丸太・朽ち木を用意しましょう。しかし、定期的に有機物を補充していくのであれば入れなくても問題ないようです。
畝の形を作る
次は土を盛って畝の形を作っていきます。
今回、長さ4mほどの畝を作りましたが土を盛る作業は非常に大変だったため大人2人以上で行うことをおすすめします。
この際、畝の高さが45cm以上、幅が130cm以上あることを確認しましょう。
どうしても土が足らない場合は多少、小さくなっても問題ありません。
畝の表面を平らにする
次は畝の表面を平らにします。このスペースに後ほど有機物を敷いていきます。
畝が低くなりすぎない程度にしっかりと平らな部分を作りましょう。目安はおおよそ80cm~100cmです。
有機物を敷き詰める
次に用意した有機物を敷き詰めます。今回は敷き詰める用の有機物として竹・小枝・落ち葉を用意しました。
これを畝の上に敷き詰めていきます。このとき、それぞれの有機物がまんべんなく混ざった状態になるようにしましょう。
ここで敷き詰めた有機物ははじめに糸状菌のエサとなり増殖をサポートするものなので、できる限り多めにのせておきましょう。
今回の4mほどの畝ではゴミ袋3袋ぶんほどの落ち葉や竹、小枝をのせることができました。
有機物の上に土を被せる
次は敷き詰めた有機物の上に5~10cmほど土を被せます。こうすることで有機物が分解され栄養になりやすくなります。
土を被せた後は、うえから手で軽く圧をかけて有機物と土を馴染ませます。これを全体に行います。
畝全体を水でしっかりと湿らせる
ここまで完了したら、次は畝全体を水で湿らせます。
本来は雨が降るまでこのまま放置し、雨によって畝に水を与えますが、今回は期間の都合で水道水を使って畝に水を与えました。
水をまく際は、畝の上にのせた有機物がしっかりと湿るようにするのがポイントです。そうすることで糸状菌が有機物をエサとして利用しやすくなり、糸状菌の増殖に繋がります。
黒マルチで畝を覆う
次に黒マルチシートを畝に被せ、覆います。
そうすることで水分が抜けるのを防ぎ糸状菌が活動しやすい環境を作ることができます。
黒マルチの端は土で埋めて固定せず、マルチ押さえを使用するようにしましょう。
黒マルチシートはなるべくしわのないよう丁寧に張りましょう。
畝から飛び出ている小枝などがあるとマルチシートが破れる原因となるので取り除くか土に埋めることをおすすめします。
畝の上に土塊をのせる
次はマルチシートの上に土塊をのせます。
これをすることで畝の中の土同士の隙間が狭まり、毛細管現象が発生します。
それによって水は畝の高い位置にも水を常に保つことができ、畝全体がほどよい水分を確保できるようになります。
3ヶ月寝かせて完成
3ヶ月後には混ぜた有機物はほとんどが分解され、糸状菌も増殖します。
この状態になると野菜の栽培をスタートできます。
ここでの注意点は、11月~2月の寒い時期は糸状菌をはじめとする部生物をの活動が弱くなるため3ヶ月のうちにカウントしてはダメということです。
これらのことを踏まえ、植えつけする野菜を想定したり畝づくりを始める時期を決定しましょう。
今回は、9月の中旬に畝づくりを行ったため早くて4月頃に菌ちゃん農法の畝が完成します。
実践して気づいた注意点
ここまで菌ちゃん農法の畝づくりについて解説・実践してきました。
以下の文章では菌ちゃん農法の畝を実際に作ってみて感じた注意点について紹介します。
実践で気づいたこと
- 有機物を集めるのが大変
- 土が大量に必要
それぞれ詳しく紹介します。
有機物を準備するのが大変
まず、感じたのは有機物を準備するのが大変ということです。
特に雨ざらしにしてある丸太や朽ち木を見つけるのに苦労しました…
筆者は丸太と朽ち木を主にメルカリで探して購入しました。
なかなか見つからず、購入できない場合は焚火用の薪を購入し、水道水に浸けて湿らせた後、日光に当てて乾かす作業を1ヶ月ほど繰り返しましょう。そうすることで十分に菌ちゃん農法に適した朽ち木になります。
その他の有機物もホームセンターで購入したり、公園に拾いに行くなど入手がやや大変です。
土が大量に必要
菌ちゃん農法の特徴の一つである45cm越えの高畝は想像よりも多く土が必要な点に注意が必要です。
今回、長さ4mの畝を作りましたが、その土を盛るためにおおよそ3倍の面積ぶんの土を使用しました。
しかし、それだけやっても土の量はギリギリもしくは足りませんでした。
菌ちゃん農法の畝を作る際は十分な土の量を確保した状態で行いましょう。
菌ちゃん農法の畝づくりまとめ
この記事では菌ちゃん農法の畝づくりについて解説・実践してきました。
菌ちゃん農法にチャレンジしたいという方はこの記事の要点をしっかりと押さえておきましょう!
要点は以下から復習できます。
- 菌ちゃん農法の畝の特徴をもう一度見る
- 畝づくりに必要なものをもう一度見る
- 畝づくり実践をもう一度見る
- 菌ちゃん農法の畝づくりを実践して気づいた注意点をもう一度見る
この記事を参考にぜひ菌ちゃん農法に挑戦してみましょう!
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