- 買ってきた苗がなんだか元気がない…
- しおれた苗の元気を復活させる方法ってないのかな?
- 苗を復活させる方法を教えて!!
ポット苗は通常の地植えに比べて非常にデリケートでしおれやすいという特徴があります。
そのため、せっかく苗を購入したのにも関わらず植える前に元気がなくなり、結局枯れてしまうこともよく発生してしまいます。
そこで、この記事では「しおれた苗を復活させる方法」について詳しく解説していきます。
- 苗がしおれる原因
- 苗を復活させる方法
- 苗の復活が難しくあきらめるしかない場合
苗がしおれる原因

まずは苗がしおれてしまう原因について知っておきましょう。
水分不足
苗がしおれてしまう原因として、もっとも多いのが水分不足です。
特にポットで育てている段階では、土の量が少ないぶん乾きやすく、こまめな管理が必要になります。
さらに、強い日差しや気温の高い日には、葉から水分がどんどん蒸発していきます(これを「蒸散」といいます)。
蒸散が活発になると、苗の中の水分も失われ、しおれにつながってしまいます。
「水やりしているのにしおれる…」という場合は、水の量や与えるタイミングが合っていない可能性が高いです。
しおれのサインに気づいたら、土の乾き具合や気温との関係を観察しながら、状況に合った水やりを心がけるようにしましょう。
肥料不足

肥料不足も、元気がなくなる大きな要因のひとつです。
植物は生長するために、窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)といった栄養素を必要としています。
これらの栄養が足りていないと、葉の色が薄くなったり、生長が止まったように見えたりします。
特に多いのが「窒素不足」で、葉が黄色っぽくなり植物全体の元気が無くなります。
土壌や水分条件の影響
肥料をしっかりあげていても、土の状態によって吸収されにくいことがあります。
たとえば、土が酸性やアルカリ性に偏っていたり、水分の状態が適切でない場合も、根はうまく栄養を吸収できなくません。
「ちゃんと肥料をあげたのに…」
というときは、与えた量やバランス、そして土のコンディションも見直してみましょう。
徒長した苗

苗がなんとなくヒョロヒョロと伸びていて、頼りない。
そのような状態は「徒長(とちょう)」と呼ばれ、苗がしおれやすくなる原因のひとつです。
苗を購入する段階で徒長していないかをよく観察したうえで購入するようにしましょう。
日光不足による徒長
徒長の主な原因は「日光不足」で、苗が光を求め、茎ばかり伸びて背が高くなる状態をいいます。
徒長した苗は葉の数が少なく、茎も細くて折れやすいため、風や日差しに負けやすくなります。
肥料過多による徒長
水分の与えすぎも徒長の原因となります。
根が酸素を取り込みにくくなり、弱った状態で茎だけが伸びてしまうのです。
また、窒素系の肥料を多く与えすぎた場合にも注意が必要です。生長が一気に進んでしまい、茎が細く、倒れやすくなることがあります。
しおれた苗を復活させる方法

しおれてしまった苗でも、適切な対処をすれば元気を取り戻せる可能性があります。
ここでは、基本的な4つの方法をご紹介します。
十分な水を与える
ポット苗は土の量が少ないため乾きやすく、こまめな水分管理が欠かせません。
水の与え方のポイント
水やりのポイントは、土にしっかりと水を浸透させること。表面だけでなく、根の深いところまで届くように、たっぷりと与えましょう。
このとき、葉や花に直接かけるのではなく、根元に静かに注ぐのがコツです。
鉢の底から水が染み出すくらいの量を与えると、全体に行き渡りやすくなります。乾燥しきった土は水をはじきやすいため、ゆっくりと何回かに分けて与えるのも効果的です。
水やりのタイミング
日中の暑い時間は避けて、朝や夕方の涼しい時間帯に与えるのが理想です。
暑い時間帯に水をまくと、蒸発が早くなるだけでなく、ポットの中に熱がこもって根にダメージを与えてしまう可能性があります。
なお、水のやりすぎも根腐れの原因にもなるため、「乾いたらたっぷり」「土が湿っているときは控えめ」を意識しながら、与える量を調整しましょう。
植物活力剤を与える

しおれてしまった苗に植物活力剤を与えることで元気を取り戻す場合があります。
植物活力剤とはミネラルが豊富に含まれている肥料のことで、植物の基礎代謝や栄養の吸収を活発にしてくれます。
他の方法とは異なり、多少のコストがかかってしまいますが効果は抜群です。ぜひ試してみてください。

日光を浴びさせる
苗がしおれているときは、日光の当たり具合も見直してみましょう。
日光が足りないと、苗が元気を失いやすくなります。
ただし、強すぎる日差しはかえって苗に負担をかけることもあるため注意が必要です。
午前中のやわらかい日差しや窓越しの光など、やさしい光を少しずつ当ててあげるのがおすすめです。
直射日光は要注意
直射日光が原因でしおれているようであれば、明るい日陰や半日陰に移して、徐々に環境に慣らしていくようにしましょう。
苗の復活が難しい場合

しおれた苗は、ケアをすれば元気を取り戻せることもありますが、残念ながら回復が難しいケースもあります。
以下で詳しく解説していきます。
茎が折れている
茎が途中でぽっきり折れてしまっている場合、苗を回復させるのはかなり難しくなります。
茎は水分や栄養の通り道であるため茎が断たれてしまうと、葉や根にまで必要なものが届かなくなってしまうためです。
生長点が損傷している
植物の「生長点」とは、根や茎の先端にある、細胞分裂が活発に行われている部分のことです。ここから新しい細胞が次々と作られ、植物は茎や葉を伸ばして生長していきます。
この大切な部分が傷ついてしまうと、新しい芽や葉が出なくなり、生長が止まってしまうことがあります。
いつまでも芽が動かない・葉が展開しないなどのサインがあれば、生長点の損傷が疑われます。
根に大きなダメージがある

虫害や過度な植え替えなどで根がひどく傷んでいる場合、苗は水分や栄養をうまく吸収できなくなり、しおれてしまうことがあります。
根は、植物にとって水分と栄養を吸い上げるとても重要な器官です。
軽いダメージであれば自然に回復することもありますが、根の半分以上が傷んでいるような場合は、回復が難しくなるケースが多いです。
しおれた苗を復活させる方法まとめ
この記事では、苗がしおれてしまう原因と、その対処法について解説してきました。
要点をまとめると、次のようになります。
- 苗がしおれる主な原因は「水分不足」「肥料不足」「徒長」など
- 十分な水やり・液体肥料の活用・日光管理・活力剤の使用が回復のポイント
- 茎の損傷、生長点の破損、根のダメージなどは回復が難しいこともある
苗がぐったりしていると、心配になったり落ち込んでしまうこともありますよね。
しかし、大抵の場合ちょっとしたケアで元気を取り戻します。まずは、苗の様子をよく観察するところから始めてみましょう。
土の湿り気、葉の色や張り具合、茎の様子など、ちょっとした変化に気づく力が、家庭菜園ではとても大切です。できることからひとつずつ、気軽に試してみてくださいね。
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