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- 土づくりは家庭菜園の基本と聞いたけど正直何をやったらいいかさっぱり
- ネットに情報がありすぎてどれから実践したらいいか分からない
- 貸し農園で畑を借りた場合ならではの土づくり方法が知りたい
など、貸し農園を利用した方の多くはこのような悩みを抱えています。
実際に私がアドバイザーとして勤務している貸し農園でも土づくりについての質問が最も多いです。
そこで、この記事では菜園アドバイザーとして勤務し、野菜作りについて7年間学び続けてきた私が貸し農園でこれだけは絶対にやるべき土づくりを3つご紹介します。
この記事で紹介する方法は、土作りするなら「最低限これだけはやっておこう」といった内容となっています。ぜひ参考にしてみてください。
- 貸し農園や市民農園などで畑を借りた際の土づくりで注意すべきポイントが分かります
- 初心者での簡単にできる土づくりの基本が3つ分かります
- 土づくりについて深く理解でき、家庭菜園ライフへの最高のスタートダッシュができるようになります
貸し農園や市民農園で畑を借りたら土づくりをするべき理由
そもそも貸し農園や市民農園ではなぜ土づくりが必要なのでしょうか。
その答えは「その区画の前任者がどのような土壌管理をしていたかが分からない」からです。
例えば借りる畑の前任者が
- ほとんど畑を放置していた
- 過剰に化学肥料や農薬を使っていた
- 分解しないもの・分解しにくいものを混ぜていた
などをしていた場合だと最悪です。このような状態の土では美味しい野菜はおろかそもそも野菜自体が育たない可能性があります。
そして、このような状態で畑を放置していく利用者は意外と多いです。
そのため貸し農園や市民農園で畑を借りた際にはしっかりと一から土づくりをする必要があるのです。
また、このような問題は市民農園に多い傾向にあります。貸し農園では多くの場合利用者がいない区画でもスタッフがしっかりと管理してくれています。もし、このような問題が不安な方は貸し農園の利用をおすすめします。
土づくりをするメリット
土づくりをすると様々な恩恵を受けることができます。
まず、野菜が丈夫に育ちます。野菜にとって土は成長に欠かせない要因であり、「土の健康は野菜の健康」といっても過言ではありません。
次に土づくりのメリットとして挙げられるのは野菜が美味しくなることです。野菜は栄養を根っこを通して土から吸収します。このとき、土の品質が良くないと十分な栄養を吸収できず、植物は美味しくなくなるのです。
土は野菜のベッド。フカフカで栄養満点な状態を用意してあげましょう
貸し農園で絶対にやるべき土づくり方法3選
貸し農園や市民農園で畑を借りた際、「これだけは絶対にやっておけ」といった土づくりの方法を3つピックアップしました。
この3つを実践することで、すぐにでも美味しい野菜の栽培を始めることができます。
pHを調整する
pHとはどのくらい酸性に傾いているのか、どのくらいアルカリ性に傾いているのかについてわかる指標のことです。
野菜にはそれぞれ最適なpHが存在します。その土壌が野菜の最適なpHから大きく離れていると、野菜は病気にかかりやすくなったり、枯れてしまいます。
そのため野菜栽培ではpHを調節する「pH調整」は非常に大切な土づくりだといえます。
また、ハウスなどを立てていない野ざらしの畑は放っておくと自然とpHは酸性に傾きます。このことを頭の片隅に入れておくとpH調整がやりやすくなります。
以下ではpH調整をするために必要な道具などを紹介します。
pH調整に必要な道具
pH調整に必要な道具についてまとめました。
ここで紹介するもの以外にもpH調整には様々な方法がありますが、家庭菜園初心者でも簡単に使えるものだけをピックアップしています。
土壌pH測定器
土壌pH測定器は機械の先端を土に差し込むだけで、その土壌のpHが分かるといったものです。
さらに正確に土のpHを知るために、一度水溶液にして測定する方法もありますが、家庭菜園で楽しむ程度なら土に直接差し込むタイプで十分です。
有機石灰
土壌pH測定器で測定した結果、土壌が酸性に傾きすぎている場合は有機石灰を土に入れましょう。
有機石灰は土をアルカリ性に引っ張るだけでなく、カルシウムを補給してくれる効果もあり、特にジャガイモや白菜を育てる際には重宝します。
しかし、入れすぎには注意が必要です。有機石灰を入れすぎてしまうと土がアルカリ性に傾きすぎてしまい、逆効果になることもあります。
有機石灰を使用する際は、袋に記載されてある使用目安を参考にすると良いでしょう。
ピートモス
土壌pH測定器で測定した結果、土壌がアルカリ性に傾きすぎている場合はピートモスを土に入れましょう。
ピートモスは主にコケ類の植物を細かく砕いたもののことで、土に混ぜるとpHを酸性に引っ張ってくれます。
また、ピートモスは保水性に優れており、すぐに乾燥してしまう畑の土壌改良材としても使うことができます。
有機物を入れる
有機物は健康な土壌を作るうえで絶対に欠かせない要因です。
土に有機物を混ぜることで、畑の土壌微生物が活発に活動・増殖していきます。
土壌微生物は
- 土を団粒構造にする
- 連作障害を抑制する
- 多様な生態系を保つ
など、野菜にとって非常に有益な役割を持っています。
これらのことから有機物を土に混ぜることは野菜栽培において欠かせないことと言えます。
土壌に有機物を入れる方法
実際に土に有機物を混ぜるための方法を紹介します。
腐葉土・堆肥
腐葉土とは落ち葉を微生物が分解して土状にしたもので、堆肥は動物の糞や生ごみなどを醗酵させたもののことを指します。
腐葉土と堆肥を土に混ぜると土壌微生物のエサが増え、土壌微生物が活発になります。
糞で作られる堆肥はどの動物の糞からつくられたかによって成分や効果が異なってくるので事前に確認が必要です。
特に鶏糞で作られた堆肥は栄養価が高いので入れすぎには注意しましょう。
マメ科植物を植える【緑肥】
緑肥とは、畑で植物を育ててそれを畑にすき込むことで、土壌改良や微生物の活発化、栄養の補給をする方法のことです。
この緑肥に使われる植物はマメ科が多いです。マメ科を使うことでマメ科だけがもつ窒素根粒菌の効果により、畑に窒素をためてくれます。
緑肥は大きな畑の土づくりをする際に使われることが多く、効率の面を考えて貸し農園くらいのサイズではあまり使われません。
しかし、緑肥を知っておくことで土づくりの参考になります。ぜひ緑肥の仕組みについて勉強してみましょう。
深くまで耕す
土づくりをする際はできるだけ深く耕すことが大切です。
植物は私たちの想像以上に深く根を張ります。そのため、植物がのびのびと根を伸ばせるような環境づくりは野菜の成長に強く関係してきます。
具体的には最低限25cmほどは耕しておきたいものです。
また、深くまで耕すことで、連作障害を防ぐ効果もあります。
初心者が土づくりを学ぶならこれ!おすすめの本を紹介
私が5年間野菜について学んできた中で出会った「初心者におすすめな土づくりが学べる本」を紹介します。
どれも非常に分かりやすく、土づくりの基本について解説されています。
「本格的に家庭菜園を趣味にしたい」「美味しい野菜を作りたい」といった方はぜひ購入を検討してみてください。
持続的農業の土づくり
どの本よりも「土づくり」にフォーカスした1冊。
初心者からプロまで誰もが「へぇー」となる情報が詰まっています。この本は貸し農園の休憩スペースなどにもよく置かれている本です。
非常に参考になる本なのでご家庭にも1冊置いておくことをおすすめします。
図解でよくわかる 土・肥料のきほん
家庭菜園をする際に必要な土に関する知識がすべてこの1冊に詰まっています。
文章だけでは理解しづらい土の構造や性質を図解で非常にわかりやすく表現されています。土に触ったことのない人でもどんどん頭に情報が入ってきます。
貸し農園の土づくりの要点まとめ
この記事では貸し農園や市民農園で畑を借りた際に絶対にやるべき土づくりについて紹介してきました。
この記事の要点をまとめるとこのようになります。
- 貸し農園や市民農園では土づくりが必須
- 土づくりでは「pH調整」「有機物を入れる」「深くまで耕す」の3つのことが重要
- 初心者が土づくりを学ぶなら「持続的農業の土づくり」「貸し農園の土づくりの要点まとめ」がおすすめ
貸し農園や市民農園での野菜作りを始めようとしている方は、この記事を参考にぜひ土づくりに挑戦してみましょう。
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